開催報告…新しい時代の図書館研究会第4回研究交流会

12月12日(土)に開催した新しい時代の図書館研究会第4回研究交流会の報告です。

概要:
■図書館の「使い方」を考える。Vol.2
奈良の歴史や文化を軸にした多彩なギャラリー企画、
ユニークな地域連携の取り組みによって、注目を集める
奈良県立図書情報館の事例を基に、
これからの図書館の「使い方」を考えます。
※プログラムの一環として「施設見学」を行います。
※終了後、懇親会を予定しています。

日時:2009年12月12日(土)14:00~17:00
会場:奈良県立図書情報館
http://www.library.pref.nara.jp/guide/access.html
プログラム:
14:00~14:10 挨拶&趣旨説明
14:10~15:00 施設見学
15:00~15:10 休憩
15:10~15:40 会場館からの事例報告
15:40~16:40 ディスカッション
16:40~17:00 まとめ
17:30〜懇親会(※別会場を予定)

○奈良県立図書情報館
http://www.library.pref.nara.jp/index.html

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 12月12日(土)、第4回研究交流会を奈良県立図書情報館にて開催いたしました。
 前回(第3回目)は、「メディアテーク(メディアの箱)」という新しい概念の基に設立された公共文化複合施設であるせんだいメディアテークにお邪魔して、2008年度の改修を機に誕生した「カフェ」を中心にお話をうかがいましたが、今回、会場館をお願いした奈良県立図書情報館も独自のユニークな企画で注目を集めている施設です。「カレントアウェアネス・ポータル」でも奈良県立図書情報館の活動を伝える記事がいくつか載せられていますので、そちらでもご確認下さい。
http://current.ndl.go.jp/node/11792
http://current.ndl.go.jp/node/9447
http://current.ndl.go.jp/node/15247

○まず、副館長の尾登さまよりご挨拶を頂戴し、続いて、この会の発起人である鈴木明(神戸芸術工科大学教授)より「新しい時代の図書館研究会」についての趣旨説明がなされました。趣旨説明の後は、参加者同士の自己紹介を行い、施設見学ツアーへ出発。
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まずは「自動化書庫」を見学。物流倉庫等で使われるシステムが応用されていて合理的である反面、図書館員が本を手に取る機会が少なくなる、という一面もあるとのこと。

 続いて「オーサリングルーム」と「アトリエ」という「創る」ための設備を見学。イベントのポスターや居酒屋のメニューを作りにくる、印刷しにくる方々で、稼働率も高いそうです。この見学中にもお客様がお見えになり、持ち込みの印刷用紙を大判プリンターにセッティングして作業を始めていました。なお、オーサリングルームの隣はコピー室になっており、インターネットからのプリントアウトも可能となっています。
〈見学の様子〉
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〈ギャラリー部分〉
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〈2F展示コーナー〉
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ギャラリーとホールでは、翌日のシンポジウム「邪馬台国と纒向遺跡をめぐって」の会場が設営されていました。ホールには入りきらない人数の応募があったため、急遽ギャラリーでの中継も行うことになったそうです。

○休憩をはさみ、企画・広報担当の乾さんによる事例報告へ。「文化発信メディアとしての図書館ー図書館の新たな可能性を探る」という題でご発表いただきました。
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 まとめると次のような話題であったといえます。

まず、図書館を始めとした公共施設は「ニーズに対応」することを目指してきたが、「ニーズを創り出す」ことで交流の主体になることができるのではないか。そのために図書館が持っている資料や施設設備、情報を編集し直していく必要がある。図書情報館では、図書情報館で情報を編集し、創造し、発信し、新しい人を巻き込んでいく場所になることを目指している。
 そのための取り組みとして、いくつかの事例が紹介があった。一つ目は、地元奈良で制作するデザイナーによるファッションショー「Tribute to 光明ファッションショー」。光明皇后をテーマした衣服を地元奈良在住のデザイナーが制作、ショーに華を添える飲食物も地元のレストランがオリジナルメニューを提供した。二つ目は、図書館全館を舞台に展開された「劇的☆めくるめく図書館〜ならノれきしデたわむれロ」。1300年の歴史をお芝居で表現するという企画であり、一般に公募したキャストとともに奈良出身の演出家が作り上げた。その他、「奈良」をコンセプトにしたギャラリー企画、民間企業の展示会など幅広い活動が紹介された。
 図書館との連携も強めている。秋田県立図書館、福井県立図書館、せんだいメディアテークとは観光ポスターや郷土資料の交換展示や関連書籍の展示を行っている。インターンシップの受け入れという形で官学交流も行っており、企画展示や運営補助のほか学生による独自企画も実施。
 モノとヒト、ハコを様々な形で再編集していくことで、新たな可能性のある施設になれるのではないか。

○事例報告の後は質疑応答とディスカッション。「利用者の方が施設を使って作ったチラシ等を館が集めることは考えてはいないのか」など、図書情報館にとっての提案となるような話題も。
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○懇親会は、図書情報館から場所を移して、近鉄新大宮駅近くの「ミラノ食堂」さんへ。この「ミラノ食堂」は、奈良県立図書情報館が館内でファッションショーを企画した際に料理を供した図書情報館とも縁があるイタリアンレストラン。美味しい食事とお酒に皆さん満足されたことと思います。末筆になりましたが、開催にご協力下さいました奈良県立図書情報館の方々、ご参加下さった方々に改めてお礼申し上げます。(文責:久慈達也)

関連記事:
○新しい時代の図書館研究会第4回研究交流会…奈良県立図書情報館
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/34317

○開催報告…新しい時代の図書館研究会第3回研究交流会
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/19862

○新しい時代の図書館研究会第3回研究交流会…せんだいメディアテーク
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/16493

○開催報告…新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/7232

○新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会…多摩美術大学図書館
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/4495

○新しい時代の図書館研究会…第1回研究交流会を開催
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/33

○新しい時代の図書館研究会について
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/10

12/31/2009