アイディアはどこにあるか。

デザインという行為において、アイディアをどのように獲得するかは常に大きな問題となります。「着想を得る」という言葉から想起されるように、ある物事を遂行するための工夫や考えは、頭の中にふと沸き上がるというよりは、過去の体験や先人の仕事など、何かを参照して得られることが多いのではないでしょうか。

今日、物事を調べる際には「検索」と呼ばれる行為を行うのが一般的になりました。入力したキーワードに応じて膨大な情報の中から瞬間的に関連部分を抜き出してくれる、便利な仕組みが私たちの身の回りを覆っています。ですが、この状態はあらかじめ判断可能なキーワードを入力した場合にしか情報を引き出すことが出来ないということでもあります。一方で、私たちは書店を巡り、予期せずして欲していた内容の本と出会えることを知っています。見知らぬ土地で何か面白いものはないかと歩き回った経験もあることでしょう。そこには「探す/調べる」という行為に対する明確な身体性が横たわっており、キーワード検索では得がたい未分類の着想の種が潜んでいます。

本展では、「デザイン資源論」を空間化するべく、着想の過程における様々な手がかりを提示します。世界を観る眼差しが示された書籍、新機軸を打ち出したプロジェクトの記録、膨大な画像を有するwebサイト、関連する製品、形態に関するリサーチ・プロジェクトなどを通じて「アイディアはどこにあるか」を考えていきます。ぜひ手にとってご覧下さい。

関連企画:着想の実践−歯間ブラシ−
本展にあわせて実施された物の形態に関するリサーチ・プロジェクト。歯ブラシと異なり、多様な形がみられる歯間ブラシについて市販品を蒐集し、形状の分析を行いました。その成果を蒐集物とともに紹介します。

開催概要
会 期|2011年10月13日(木)~10月20日(木)
休館日|10月16日(日)
時 間|11:00~18:00
会 場|神戸芸術工科大学ギャラリーセレンディップ
観覧料|無料

企 画|久慈達也(神戸芸術工科大学研究員)