関連企画:着想の実践「歯間ブラシ」

本展にあわせて行った形態に関するリサーチ・プロジェクトの成果を蒐集物とともに紹介します。対象としたのは、多様な形がみられる「歯間ブラシ」。ブラシ本体の形状はもちろん、携行性も重視されるためパッケージも重要な要素となっています。調査報告:
今回のリサーチは、以前に提案したデンタルフロス(No.000)の改善の方向性を探るため行われた。調査に際しては、市販の歯間ブラシ等をできる限り蒐集し、それぞれの形に込められた意図を読み解くことにした。

歯と歯の間を掃除するための道具は、大きく分けて、1)柄の先端が尖った「ピックタイプ」、2)先端がブラシ状の「歯間ブラシ」、3)細い糸の集合からなる「フロスタイプ」がある。No.000は携行性を重視したフロスタイプである。全体は三角形、内側を台形のアーチ型とし、グリップ部分は摘むスペースと強度を持たせた。

他の製品と比べてみると、No.000は角が多いデザインとなっていたことがわかる。角が際立つ形状は、口に入れるモノとしては好ましくないと感じた。また、他のフロスタイプのものと比べると、ヘッドのアーチ部分が狭く、使い易さに難があった。柄を無くしてコンパクトにし、グリップとヘッドのみで構成された形状は、No.011 「Floss ‘n Toss」と共通している。ただ、No.011が携行用ケースを伴っていないことからすれば、形状は似ていても使用場所は異なるものと思われる。

No.000は携行性を重視して作られた。ちょうど粒状のガムの包装のように、使う際には包装紙をフロス一個分ずつ剥いていく。持ち歩くことを意識した製品は、フロスやブラシ部分が剥き出しにならないようにプラスチック製のハードケースに入っていることが多い。形態の分析を兼ねて行ったユーザーテストでも、触れるか触れないかという点に、使用者はかなり敏感であった。口に入れるものである以上、清潔であるのは当然のこととしても、その上で清潔さを体感できるパッケージの提案が求められているように思う。例えば、No.010「タブルフロス」やNo.011「Floss ‘n Toss」は個別包装されているし、No.023「さんかくようじ」やNo.035・036「やわらか歯間ブラシ」は、割り箸と同じように折り取って使うように意図されている。どちらも新しさ=清潔が強調されたパッケージである。

対して、No.000に清潔感のアピールは少ない。「剥く」という行為を取り入れたことで、残数に応じてパッケージサイズが変化する点は、他の製品と比べて優れていると思われるが、さらに清潔感を感じさせる要素を盛り込むことも検討したい。(浅香理絵)

 

 
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